★東宝怪獣ソフビ No.002 ★グレートモンスターシリーズ#32 ★ゴジラ1964

<ソフビデータ>
発売◆1983年11月頃
メーカー◆バンダイ(ポピー事業部)
定価◆950円
全高(長)◆20cm
足裏刻印◆1983年
シリーズ◆グレートモンスターシリーズ(THE GODZILLA COLLECTION) #32
タグ年度◆無し
タグスタンプ◆無し
生産国◆日本

 今回ご紹介するソフビは、通称「モスゴジ」と呼ばれる1964年4月29日封切の「モスラ対ゴジラ」に登場したゴジラをモデルにしたもの
 前回紹介した「キンゴジ」のソフビと同時発売され、その後1992年頃迄の約9年間、バンダイのゴジラソフビとして玩具売り場で販売されていたロングセラー商品です

 前作「キングコング対ゴジラで銀幕に復活したゴジラは、「モスラ」でデビューした巨大蛾怪獣と対決します
 怪獣王ゴジラと知名度抜群のモスラの対決は「エイリアンVSプレでター」や「フレディ対ジェイソン」といったノリかな

 この作品以降ゴジラの対決路線は確立され今後のシリーズの方向性が決定されることに

 前作のコミカルタッチな作風とは打って変わり、全体的にシリアスなリアル路線であるにも関わらず、エンターテイメント性の高い傑作です
 また前作では見られなかったゴジラによる都市破壊を堪能できるのもこの作品の魅力のひとつ

 四日市コンビナートや名古屋市内の都市破壊は映画前半の大きな山場で、緻密に計算されていて尚且つ大胆な合成シーンは、当時の円谷特撮のセンスと技術の高さをビシビシと感じさせられます

 さて、ソフビのお話し

 少し大きめの頭部を除けば、全体的なバランスは映画に登場するモスゴジの特徴を上手く表現しているソフビ

 名古屋城破壊シーンのゴジラを切り取った様な手のポージングは他の怪獣ソフビと闘わせるには非常に邪魔ですが、ディスプレイモデルとしてはアリかもしれません

 クリクリとした可愛らしい瞳もモスゴジのイメージでは無いように思えますが、”三白眼”のイメージの強いモスゴジは、下から見れば意外と大きくぱっちりした瞳なんです。この可愛らしさもロングセラーになった理由の一つかもしれません

 前回ご紹介したキンゴジは速水仁司氏のオリジナル原型でした(タグにも明記されております)が、このモスゴジでは「原型協力」とタグに明記されております

 これはこのソフビの原型が、速水氏の制作した全長50cmのガレージキットをスケールダウンし、作成されたものを監修のみ行っている為です

 今回のタグも表は「モスラ対ゴジラ」のモスゴジ写真をキチンと使えているのに、裏面は「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」の写真を使っているという、前回のキンゴジ同様に変なタグに仕上がっております

 余談ですが・・・
 劇中の前半に星由里子が倉田浜干拓地で発見する虹色に光る物体ですが、結局その正体は劇中では語られませんでした

 脚本の初稿と完成作品では、かの有名な干拓地から蘇るゴジラのシークエンスが異なっています

 初稿では冬眠状態で眠っているゴジラが発見され、周りでは人間たちが「死んでるのか?生きているのか?」「ガソリンをまいて火をつけよう」とワイワイ騒ぐ中、ゴジラの口元をみると歯が一本欠けている・・・

 そこで、「やっぱりあの牙、ゴジラのだったのね」という中西純子(星 由里子)のセリフにある様に大量の放射能を帯びたアレは、キングコングにへし折られたゴジラの牙であった事が明記されています。前作との繋がりを、明確にする設定だったのですね
 ※参考文献:『大ゴジラ図鑑(』ホビージャパン)・『ゴジラ大全集』(講談社)

 by たかまる